建物の構造種別は大体三種類です。
鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造です。
鉄骨鉄筋コンクリート造やレンガ造などもありますが、主には上記の三種類です。
この記事では鉄骨造の特徴について書きたいと思います。
鉄骨造っていったい何?という方はぜひ読んでみていください。
鉄骨って何ですか?
鉄骨って何でできているでしょうか?
鉄じゃないのですか?と思われるかもしれませんが、そうです鉄です。
ただし、鉄だけだと脆いので、少し混ぜものを入れて鋼になっています。
具体的には鉄を主成分として炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄などが入っています。
どの成分がどれくらい入っているかで性能は大きく変わりますがかなり奥が深い世界なので今は鉄にちょっと混ぜ物をしてさらに強くしているんだなくらいでOKです。
鉄骨造のメリット
鉄骨造のメリットは何でしょうか。
メリットは上記の鉄筋コンクリートや木と比較してという視点で書いていきます。
・軽くて丈夫です。
鉄骨は鉄を溶かして型に流し込んで形を作るので、Hの形や□の形等少ない量で効率的な形を作ることができます。
比重はコンクリートの1/3程度で変形のしにくさは10倍程度です。
なので結果的に軽くて丈夫になります。
・圧縮力にも引っ張り力にも抵抗できる。
建物の材料には圧縮力や引っ張り力が作用します。
コンクリートは圧縮力しか抵抗できないのでそれを補うために鉄筋を入れて鉄筋コンクリートとして圧縮力と引っ張り力に抵抗しています。
一方鉄骨は圧縮力にも引っ張り力にも同じ強度を発揮します。
ただし注意しないといけないのは座屈という現象です。
座屈は大きな圧縮力を受けると突然ぽきっと折れてしまうことです。
下敷きを押してべこべこさせて遊んだ経験があると思いますが、あれです。
鉄骨は軽くて丈夫な分細長くなりがちなので座屈現象には注意が必要です。
・大きな空間を作りやすい。
鉄骨は軽くて丈夫で強いので大きな空間を作りやすいです。
設計を工夫すれば中には100m以上柱なしの空間を作ることができます。
野球場やサッカー場等屋根がかかっている場合もありますが、もちろん柱はありません。
こういったものの屋根は鉄骨造がほとんどです。
身近な建物だと学校の体育館とかはたいてい鉄骨でできています。
運動する広い空間に柱があっては邪魔なので鉄骨で大きな空間を作っているのですね!
鉄骨造のデメリット
大体メリットの裏返しになります。
・軽い分、音や振動は伝わりやすい
これもコンクリートと比較して、という話になりますが、メリット面でもお話ししたように軽くて大きな空間を作れてしまうので、その分音が漏れやすかったり揺れやすくなったりします。
オフィスで働いている方であったら誰かが歩いた時や走った時に少し床が揺れているなと感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんそういったところに注意して設計はしていますが、揺れやすいのは事実です。
・錆びる
鉄なので錆びます。
鉄には錆止めを塗ります。
また屋外で使用するときはメッキをします。
とはいっても海の近く等条件が厳しかったり塗装がはがれてしまったりすると錆びてしまいます。
見立てが悪いだけだといいのですが錆びてボロボロになってしまうと強度も落ちてしまいます。
錆びないように対策をして建物の管理をきちんとすることが大切です。
・火に弱い
これも鉄筋コンクリートと比較して、という話になります。
鉄は温度が上がりすぎると溶けます。
本当に溶けるのは1500℃くらいですが、鉄は強度が落ちてきます。
大体200℃くらいで2/3、600℃くらいで1/2の強度になってしまいます。
火事にならないとこんな温度にはならないので普段は心配いらないのですが、有事の時に温度が上がりすぎると強度が落ちてしまいます。
鉄骨造はどんな建物に向いているの?
メリットデメリットを上げてきましたが、結果的にどんな建物に向いているのでしょうか。
まずは事務所ビルや商業ビルです。
特に10階建て以上くらいの高いビルはほぼ鉄骨造です。
使い勝手上大きめの空間が必要になるので鉄骨造の方が向いています。
次に工場です。
工場も大きな機械を設置したり作業をする空間が必要なので鉄骨造が向いています。
最後にスポーツ施設、特に屋根です。
こちらもやはり空間が欲しいので鉄骨造が向いています。
まとめると鉄骨造は空間が必要で、音や振動にそれほど敏感ではない用途の建物に向いています。
まとめ
鉄骨造の特徴をまとめました。
構造体は隠れてしまうので何で出来ているかって意外と分からないものなのですが屋根などは構造体がそのまま見えていたりしているので思い出したら見上げてみてみてください。
結構面白いですよ!
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