【唯一の情報系国家資格】情報処理安全確保支援士試験の勉強法

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2022年の春に合格した基本情報技術者、応用情報技術者試験(その時の記事はこちら)に続いて秋試験で情報処理安全確保支援士に合格することができましたので、その時の経験を書いていきたいと思います。

情報処理安全確保支援士試験の概要

簡単にIT関連資格の全体像とその中での情報処理安全確保支援士の位置づけを書いていきます。

IT資格は情報処理推進機構という協会が実施しています。詳細を知りたい方はそちらを確認してみてください。

ITパスポートから高度試験までの段階に分かれてて、その中でも情報処理安全確保支援士は高度試験に位置しています。

高度試験にはたくさんの分野があり、私は情報系を専門としていませんので詳しいことはわかりませんが、情報処理安全確保支援士はセキュリティに特化していて、他の試験と異なる点は唯一の国家資格であるという点です。

細かいことを言うと試験合格後に国家資格に登録できるという建付けです。

こんな人におすすめ

情報処理安全確保支援士の取得を目指している方

高度試験に挑戦しようと考えているもののどれを受けようか迷っている方

情報処理安全確保支援士にはこんなメリットが

すでに述べましたが唯一の国家資格である点

情報系の専門ではないので正直、実務的なメリットはわかりませんが、情報セキュリティは昨今どんな仕事をしていても、ただスマホを使うだけでも不可欠なものになっているので、その知識を得られる

これらは実際に私が応用情報技術者試験のどの高度試験を受けるか悩んだときに決め手になった点です。

私は専門性がないのですべての分野に通じる情報セキュリティにしたという感じです。

試験の構成

高度試験は4つの試験で構成されていて、なかなか骨の折れる試験になります。

午前の選択式の試験が2つ、午後の記述式または論述の試験が2つで合計4つです。

情報処理安全確保支援士試験についてさらに詳しく説明します。

午前の試験は午前Ⅰ、午前Ⅱと呼ばれていて各60分で25問の問題に対して60%以上の正答率で合格になります。

午前Ⅰ試験は応用情報技術者試験の午前試験から抜粋された問題で、過去2年以内に応用情報技術者試験に合格、もしくは高度試験の午前Ⅰ試験に合格していれば免除を受けることができます。

午前Ⅰ試験は全高度試験で共通です。

午前Ⅱ試験は各高度試験に特化した問題になり、午前Ⅰ試験より難易度は上がりますが、出題範囲が狭まるといった感じです。

午後の試験は午後Ⅰ、午後Ⅱと呼ばれていて情報処理安全確保支援士の場合はどちらも記述式になります。

試験時間と問題数は午後Ⅰが90分で3つの大問から2つを選択して回答し、午後Ⅱは120分で2つの大問から1つを選んで回答し、それぞれ60%以上の正答率で合格です。

午後Ⅰと午後Ⅱの合算ではなく、それぞれである点に注意してください。

また、もう一つ注意というか残念な点は午前Ⅰから順に採点されていく中で60%を下回ったらそれ以降は採点されないという点です。

例えば午前Ⅰ、Ⅱで60%以上で午後Ⅰで60%を下回ったとすると午後Ⅱは採点してくれません。

採点の手間を考えると合理的ですが、受験生にとっては歓迎できないルールです。

特に高度試験は記述式や論述式で自己採点が難しく、配点も明確ではないため、実際の試験で点数を付けてくれることはたとえ試験に落ちてしまったとしても絶好のフィードバックを得られる場になります。

その機会が奪われるというのは非常にもったいないです。

少し話がそれますが、午後の試験は高度試験によってかなり特色があります。

試験時間と合格基準は共通ですが問題の数や形式はそれぞれ異なるので各試験への対策が必要になります。

難易度及び実際の勉強時間

難易度の絶対的な記述は難しいので応用情報に比べて、という形で書いていきたいと思います。

午前Ⅰは応用情報の問題なので難易度としては同じです。

午前Ⅱは応用情報よりは難しいと思いますが、私は情報系知識のバックグラウンドがないのであまりその差を感じません。

勉強法のところでも書きますが、午前の試験は基本的に過去問を押さえておけば何とかなるので、試験に受かる意味ではそこまで難しくないと思います。

午後ⅠとⅡは応用情報の午後試験とよく似ていて、文章を読んで小問に答えていく形になります。

午後ⅠとⅡの違いは問題数と文章の長さ、大問あたりの小問の数です。

午後Ⅰは時間との勝負午後Ⅱは集中力との勝負という感じになると思います。

午後Ⅰは90分で2問ですが、時間はぎりぎりになると思います。

逆に午後Ⅱは120分で1問なので時間はありますが、文章が長く、小問も多いでが、時間切れになることはないと思います。

最後の試験で疲労があることと時間に余裕があることで集中力が切れたり時間に余裕を持ちすぎたりする可能性があるので事前にしっかり取り組み方を決めておく必要があります。

問題の中身の方は応用情報と比べて文章が長くなって小問が増える、という意味では難易度は上がっていると感じます。

しかし、問われる内容自体は応用情報と比べてほとんど差はないと感じます。

もちろん題材が情報セキュリティに特化している、という点は違いますが。

結論として難易度は応用情報の延長線上にあって2,3割増し程度と考えてよいと思います。

私の実際の勉強時間は1.5か月程で時間に直すと100時間には届いていない、くらいだったと思います。

私の場合は情報系の仕事ではないものの、4月に基本情報と応用情報に合格した時の知識があり、午前Ⅰは免除になっている分勉強時間は短縮できたと思います。

勉強方法

具体的な勉強方法は各試験の特徴に合わせて変える必要があります。

一つずつ書いていこうと思いますが、あくまでも「試験に合格する」ことを目的とした勉強法であり、実務的な意味で情報分野の専門家になるという意味での勉強ではない事を断っておきます。

実際、私は試験に合格できたものの、情報セキュリティの仕事ができるかと言われると残念ながらできません。

また、もう一つの前提として基本情報や応用情報の試験に合格していたり実務経験があったりとある程度の前提知識があることを想定しています。

全くの0からいきなりこの試験を受ける、ということは想定していません。その場合は問題演習に取り掛かる前にテキストを読むことをお勧めします。

まず午前Ⅰですが、これは応用情報の午前と同じくひたすら過去問をやる、につきます。

午前Ⅱもひたすら過去問をやる、につきます。

基本情報や応用情報と同じく、選択問題は過去問の流用が非常に多いです。

過去問道場さんという形容し難いほど素晴らしいサイトがありますので、繰り返し過去問を解きまくってください。

傾向として過去直近2回の試験からは出ないことと近い試験問題が使われやすいです。

お勧めのやり方は直近2回分は模試代わりに直前までおいておいて(どうせ同じ問題はでないので)3回以上前の過去問を繰り返しやるという方法です。

過去問道場さんではどの試験でどの年度の試験から何問出題されたかわかる統計情報があるので、大いに参考にしてください。

私は確か10回分くらいをひたすらやりました。

ただ過去問をベースにしていても聞き方や文言を多少変えてくる可能性もありますので中身の理解は必要です。

過去問で毎回90%くらいは取れるようになれれば合格点に届くと思います。

次に午後試験ですが、これらも傾向があり、応用情報の試験が大いに参考になります。

問題はA4数ページの情報セキュリティに関する文章があり、それを読みながら関連する小問に答えていくというものです。

問題は純粋に知識を問われる問題と出題文から読み取る問題に分かれます。

割合は読み取る系の問題の方が圧倒的に高く、7~8割程度はあると思います。

私は情報系が専門ではないので知識系の問題は基本的にできません。

もちろん午前問題や過去問で出てくるような重要なものはできますが、できたらラッキーというスタンスでした。

知識問題は出題数が少ない割に求められる範囲が広すぎるので、それよりは出題数が多い問題の対策に時間を割いた方が得策です。

次に文章から読み取る系の問題ですが、これも独特の癖があり、過去問を通じてこの癖を掴んでいくのが一番の近道です。

この傾向は応用情報の午後試験と同じなのですが、設問に対して回答が複数思い浮かんだり、全然思い浮かばなかったりします。

これは中々言葉では伝えづらいのですが、実際に問題を解いてもらえればわかると思います。

これらの設問に対して、大きなヒントになるのは回答する文字数です。

文字数は回答に必要な要素が何個程度ありそうなのかを教えてくれます。

また、回答のパターンを知ることもかなり有効です。

基本的には問題文から抜き出して対応できるのですが、たまに文章を自分で考えないといけないパターンもあり、解いている設問がどちらのパターンなのかを見極める必要があります。

最後は求められている回答の傾向を掴むことです。

これは具体的に言葉で説明するのは難しいのですが、自分がここが答えだと思った箇所と模範解答を比べてその誤差を修正していく、という作業が必要になります。

私はあまり国語が得意ではなかったので初めからできる方もいるかもしれません。

以上の3つの点に気を付けてひたすら過去問を解き、模範解答と自分の回答の誤差を減らしていく、というのが合格点への最短の勉強方法だと思います。

長々と書いてきましたが、結論としてはひたすら過去問をやり込むというのが一番の近道です。

私は完全に独学だったのですが、特に午後問題は問題集を使った方が効率は良いと思います。

特に回答までのプロセスを丁寧に説明してくれているものが良いです。

私が最後まで買うか悩んだ問題集を一つ挙げておきます。


参考にしたYoutubeチャンネルも載せておきます。直接的に役に立つというよりは知識の内容に対する理解が深まります。

「まさるの勉強部屋」さん

午後試験は高得点は難しいと思います。

70%くらいを目標に知っている知識問題が出ることを祈りつつ、文章だけで取れる問題の点数をひたすら搔き集めるというのが私が採用した方法です。

そこから逆算した結果過去問を解き続けるという非常に普通の勉強法に落ち着きました。

とにかく大切なのはどうやったら自分が模範解答に近い回答を作れるようになるのかを考えながら過去問演習をすることです。

午後試験の統合

2023年の秋試験から午後Ⅰと午後Ⅱの試験が統合されます。

公式の発表はこちらです。

大雑把に説明すると午後Ⅰが90分で3問から2問選択、午後Ⅱが120分で2問から1問選択から150分で4問から2問選択に変わります。

1問あたりの時間が変わるので1題あたりの文章や問題量は午後Ⅰと午後Ⅱの中間くらいになると考えられます。

中身は変わらないので勉強のやり方は変わりませんが、カスタマイズは必要になります。

特に4問から2問選択なので自分の得意な問題を選びやすくなるとも考えられますが、短時間で自分の得意な問題を選ぶのは難しく、個人的には問題選択にかかる時間が増えることになり、タイムロスのリスクが上がった方が嫌です。

以前の試験は明らかに時間の配分がおかしかったので、その点は是正され、解きやすくなると思います。

最初の試験は過去問がなく、本番前に練習が出来ないですが、やることは変わらないと思うので同じように対策をするしかないです。

当日の取り組み

何事も本番で本来の力を100%発揮するのは難しいものです。

最後に当日の試験で力を出し切れない可能性をいくつか挙げたいと思います。

「焦り」

まずは「焦り」です。

私が受験したときは思っていたより過去問からの出題が少なく、午前Ⅱが難しかったと個人的に思います。正直かなり焦りました。

午前Ⅱで60%をとれないと午後は採点すらしてもらえないし何より午前Ⅱが一番余裕だと思っていたからです。

もったいないのは時間切れととれるはずの問題を間違えることです。

本番は思ったようにいかなかったり想定していたことが外れることは良くあることですし、出題側も絶対に分かってやっているので一度落ち着いて覚悟を決めることが大切です。

他の受験生も状況は同じなので自分ができることをやるしかありません。

問題選択

次は「問題選択」です。

午前試験は全問必答ですが、午後試験はⅠもⅡも選択問題です。

応用情報はだいたい第〇問はこの分野の問題、と決まっているので事前にこの問題を選択しようと決められますが、情報処理安全確保支援士試験はそこまではっきりとした傾向はありません。

また文章問題なのでパッと見て難易度や自分が得意か不得意かの判断が難しいです。

特に午後Ⅰは時間が厳しいのでどの問題を選ぶかにそれほど時間をかけられません。

一番最悪なのは途中まで解いた後に別の問題に変えることです。

そのタイムロスで時間切れになってしまっては悔やんでも悔やみきれません。

対策として一番単純なのは最初から選ぶ問題を決めてしまうことです。

これは自分の得意分野を選ぶ、または苦手分野を避ける、というメリットを捨てる代わりに途中で問題を変えるという最悪のケースを避けるデメリットを回避できます。

もう一つは問題選択の時間制限もしくはルールを設けることです。

例えばすべての問題を5分ずつ読んでから問題を決める、というルールにすることです。

これであれば5分は確実に無駄になりますが、それ以上にはなりません。

また小問や解答欄はぱっと見で傾向がわかるので、知識問題がわかる大問を選ぶ、とか記述の文字数が一番多い大問は選ばない、とかある程度機械的に判断できるルールを決めることです。

これは個人差があるので、過去問で練習してください。

過去問演習ではすべての問題を解く時間があるので、問題を解く前に選択問題を決めて、実際に全て解いてみてどの問題を選べばよかったのかを答え合わせすることができます。

時間配分

最後に「時間配分」です。

大きく見れば「焦り」も「問題選択」も「時間配分」に含まれますが、特に大切だと思ったので個別で説明しました。

時間配分で一番はまりやすいのは分からない問題に時間をかける、です。

頭では分かっていても実行するのはとても難しいです。

私もとてもよく分かりますし、何回も失敗しています。

分からない時は思い切って飛ばす勇気を持つことです。

幸いにも60点を取れれば合格する試験なのでわからない問題があって良いです。

問題は分かる、もしくは時間をかければ解ける問題を時間が足りなかったという理由で落とすことです。

これも練習するしかありません。

最初の内は時間をかけて自分のベストの回答を作る、で良いと思いますが、最終的には本番を想定して、実際に1問にかけられる時間を計算しておいて、制限時間を設けて練習するのが良いと思います。

練習を通じてどうすれば自分が本番で100%に近い力を出し切れるか、かつその確率を上げられるかを考えて演習してみてください。

最後に

長々と書いてきましたがまとめとしてはひたすら過去問演習をしてくださいということになります。

午前問題は過去問を覚えるつもりで演習して、午後問題は基本的に解答は問題文の中にあるのでどうすればその解答を抜き出してこれるかということを考えて演習してください。

本番で致命的な失敗を避けるための対策をしてください。

知識はあるに越したことはありませんが、私は専門外なので最低限の知識といわば小手先のテクニックで合格することができました。

簡単な試験ではありませんがどうしようもない程難しいわけではありません。

参考書の力も借りながら効率的な合格を目指してください!

最後の最後に少しでも説得力を上げるため(確認の取りようはありませんが)私の試験結果を載せておきます。

午前Ⅱがギリギリで自己採点の時は生きた心地がしませんでした笑

基本情報技術者と応用情報技術者に同時合格した時の記事も書いています。

興味がある方はこちらにどうぞ

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