令和4年度上期と下期に電験三種の試験を受けましたが、実はまだ合格していません。
令和4年度上期の試験で「理論」、「電力」、「機械」には合格することができたのですが、「法規」は2回連続で失敗しています。
あまり説得力はないかもしれませんが、私なりの経験と勉強法を書いていきたいと思います。
電験三種の試験内容と取得のメリット
電験三種と書いていますが、正式には第三種電気主任技術者であり、他にも第二種と第一種があります。
また、電気工事士の試験もあり、混同しやすいです。
電験三種に合格すると「電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力 5千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用の保安の監督を行うこと」ができるようになります。
第二種、第一種と上がっていくと取り扱える電圧が上がっていきます。
正直に申し上げて、私は全く別の業界で働いているので具体的にどういったものが扱えるようになるか、どれくらい重宝されている資格か、といった詳しいことは分かっていません。
もっと詳しく知りたい方は試験を行っている「電気技術者試験センター」のHPを参照してください。
試験はすでに挙げたように「理論」、「電力」、「機械」、「法規」の4科目あり、すべてに合格すれば合格になります。
法規のみ問題数が若干少ないですが、基本的には全科目構成は同じで主に知識を問うA問題と主に計算問題のB問題に分かれていてA問題で60点、B問題で40点、合計100点満点で60点以上が合格ラインになります。
受験生の出来に応じて合格ラインが引き下げられることがありますが、引き上げられることはないので60点を取れれば確実に合格できます。
問題はすべて選択式で記述はなく、試験時間は90分が基本ですが、法規は問題が少ないので65分です。
また科目合格制度があり、一度合格すると2年間有効になります。
試験は年に2回ありますので、例えば令和5年度の上期に合格した科目は令和7年度の上期試験まで有効になります。
電験三種はこんな人におすすめ
仕事をする上で必要な人、発電の仕組みや機械が動く仕組みを学びたい人におすすめですが、試験自体は簡単ではありません。
私は仕事上必要な資格ではありませんが、興味本位で所得を目指しています。
勉強してみて、発電方法による効率の違いとか動力を生み出す仕組みなど、難しいですが面白いと思いましたが、興味本位で取るには労力に見合わないと思います。
基本的には取得した上で仕事に使う人向けの資格です。
試験の特徴
私が思うこの試験の特徴は試験回によって合格難易度の差が大きいことです。
科目合格制度があるので受かった回も含めると最大で5回挑戦できます。
その中で恐らく何度か各科目ごとに簡単な回が出てくるのでどうしても取れないという方は粘り強く簡単な回で確実に取る、というのも一つの戦略だと思います。
また電験三種は令和5年度上期試験からCBT方式(簡単に言うとコンピューターを使って試験を受ける方式)を導入していて、現在はCBT方式と筆記方式を選択できます。
これはかなり大きな変化で、試験自体はすべて選択式なので回答のやり方は変わりませんが、年に2回の作問で良かったものがCBT方式に対応するためには数倍の問題数が必要になるはずなので、問題の質及び受験回の難易度の差が大きくなる(そうならないよう努力はされていると思いますが)可能性が高いと思います。
個人的にはどちらかというと簡単になる方向なのではないかと予想としていますが、(願望も入っていますが)これは何度か試験を行わないと分からないと思います。
次に合格点の話ですが、はっきりと公表されていないので断言はできませんが、全科目を受験した受験生の合格率を基準に調整しているようです。
極端なことを言えば1科目極端に難しくても他の3科目が簡単であればどんなに難しい科目があったとしても得点調整は入らず、満遍なく全科目が難しい回は全ての科目に得点調整が入る可能性があるということです。
こういった事情もあり、問題の難易度だけでなく問題の基準も毎回異なるので、特に科目ごとに考えると合格の難易度が試験回によって大きく異なります。
こればっかりは運なので自分が出来ることをやるのみです。
幸いにも合格点が60点から上がることはないので全教科60点を取れるよう仕上げるしかありません。
具体的な勉強法と勉強開始時の前提知識
前提知識
私は電気関連の仕事をしているわけではありませんが、高校物理の知識があり、理論に関してはかなりアドバンテージがある状況でした。
半導体になると分からないのですが、電荷や電磁誘導、回路の共振などは何とか覚えていたので初見でも理論だけは合格点前後が取れる状況でした。
恐らくこのアドバンテージがなければ電験三種には挑戦していなかったと思います。
それくらい電験三種はハードルが高い試験です。
電力、機械、法規は全く歯が立たない状況でした。
具体的な勉強方法
一般的に理論が全ての基礎になっているので「理論」→「電力」、「機械」→「法規」の順番で勉強するのが効率的と言われていますし、私も異論はありません。
私は完全に独学で過去問とYoutubeだけで勉強しました。
理論はまだしも電力や機械、法規の知識問題は範囲が広すぎてカバーできないと考えて、戦略としては計算問題で点を稼いで知識問題は取りこぼさない戦略をとりました。
計算問題はパターンが限られている割に配点が高いので、そちらで確実に点を稼ぎつつ、過去問演習を通じて絶対に落とせない知識問題を拾っていくという作戦です。
もちろん過去問だけでは解説がないので分からない問題はYoutubeで探して理解していきました。
とても有名ですが「電験先生」チャンネルさんにはとてもお世話になりました。
動画自体は4,5年くらい前のものですが、全体像の理解にはとても役立ちます。
この戦略を基に「電験先生」で全体像を掴みつつ、過去問を繰り返して、間違えたところや理解できないところをまとめて暗記していくという方法で勉強しました。
本当は過去問だけでも問題集を買った方がよかったとは思いますが、4科目もあるので金銭的な負担が大きくお金をかけないをコンセプトに取り組みました。
法規は未だに取れていなので成功をは言い難いですが、3科目の科目合格が生きている間に何とか取りたいと思いますが、今年は事情があり受験できないので来年以降頑張ります。
勉強する際に心がけること
電験三種は過去問がそのまま出ることはほとんどありません。
なので過去問を丸暗記してもダメで、理屈を理解しなくてはいけません。
よく出るパターンというのはあるので、問題を通じて問題の考え方、解き方を学んでください。
まとめ
電験三種は特徴的な試験なので運に左右されることもありますが、科目合格制度もあるので数回のチャレンジで取り切る覚悟で取り組まれるのが良いと思います。
勉強法としては過去問中心で良いと思いますが、戦略は考えた方が良いと思います。
自分の得意不得意に応じて科目ごとにA問題とB問題の目標点を設定して効率的に勉強しないと4科目もあるので大変です。
電験三種の取得を目指されている方に少しでも役立てば幸いです。
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