ゼネコンってたまに耳にしませんか?
世間一般のイメージは決して良くないと思います。
大体が談合だとか横領だとかブラック労働だとかそんな負のイメージがあると思います。
でもその実、ゼネコンって何をするところってきちんと知っている人がどれぐらいいるでしょうか?
あまり知られていないと思いますので簡単にざざっと説明してみたいなと思います!
ゼネコンってどんな仕事をしているの?
ズバリ、建物や橋、ダム、道路といった社会インフラをつくる会社です。
まずゼネコンって略語なので正式名称を伝えておきます。
ゼネラルコントラクター(General Contractor)で固い日本語で言うと総合建設業者になります。
「建設業者」は何となくわかりますよね。
建物とか橋とかを実際に作る者のことです。
「総合」というのは作る工程の一切を全て引き受けるという意味で総合なのです。
そうでない場合、骨組みはここ、内装はここ、外装はここ、水道はここ、電気はここ、といった具合に複数の会社に分けて工事を発注します。
ゼネコンに発注すれば工事の窓口になってくれて発注者としては非常に楽です。
さらに私が働いているゼネコンの場合、設計部門も一緒になっていますので、工事だけでなく設計図を作る所から出来るので、何かを作りたい!と思ったときに発注すれば後は全部やってくれるわけです。
もちろん丸々一社に発注するので、恐らく自ら一社一社に発注する場合に比べて金額は高くなるかもしれません。
調整料とか諸々込みなので当然と言えば当然ですが、ある程度の規模になってくるとその道のプロでない限り調整は不可能だと思いますので、ゼネコンに発注するのが理にかなっていると思います。
ゼネコンの規模感ってどんな感じ?
過去五年くらいの日本国内の建設に対する投資額は約60兆円くらいです。
一方ゼネコン業界で大手と呼ばれる会社は5社あります。
俗にスーパーゼネコンと呼ばれていますが、その5社は大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店です。
各社の売り上げが大体1.5兆~2兆くらいなので大手5社が占める割合は約15%くらいになります。
他の業界と比較すると大手が占める割合は少ないと思います。
よく言えば棲み分けが出来ているのかなあと思います。
大手ゼネコンは戸建て住宅のような小規模な案件はやりませんし、少なくとも数十億円レベルでないと仕事を受けないのが一般的です。
大型の案件は大手ゼネコンが受けて、比較的小さめの建物や土木工事は地元の企業が行うというのが私のイメージです。
大手の会社は海外にもうって出ようとしていますが、国内の需要が十分であることもあり、正直うまくいっていないと思います。
国内の仕事の取り合いで、景気が悪くなると仕事が減り、利益を削った仕事の取り合いになり、悪循環が生まれます。
各社見栄えのする目標は立てていますが、実現できるのかはかなり懐疑的で明るい未来があるかというと結構怪しいと思っています。
設計の立場から見たゼネコン
設計者が所属する会社は大きく三種類あります。
一つは私が所属しているゼネコン。大雑把に設計+工事の会社です。
二つ目は組織設計事務所。設計のみです。
三つめは俗にアトリエ系と呼ばれる個人事務所。こちらも設計のみですが、ボスが個人です。
ゼネコンの設計は無難にまとめ、工事で利益が出ることを目指すことが求められます。
一方組織設計事務所やアトリエ系は設計だけで仕事をとって、利益を出さなくてはいけないので何か設計自体に光るものが必要になります。
もちろんゼネコンの設計に光るがないということではありませんが、一般的にゼネコンの方が標準的だけどまあまあ良いものになる傾向があります。
組織設計事務所やアトリエ系は比較的癖というか個性があって一風変わったデザインになりがちです。
もちろんこれはどちらが良い悪いの話ではなくて、会社の仕組み上半ば必然的にこうなるものです。
この状況を逆手に取ればゼネコンの設計が組織設計やアトリエ系にデザインで見劣りしないものになったら向かうところ敵なしということで、可能性を秘めていると思います!
ゼネコン内での設計の立場はというと、一般的に工事部隊よりも弱い立場にあります。
会社に期待されることは建物を作ることであり、仕組み上利益を出すのも工事部隊なのでこれは当たり前と言えば当たり前です。
大手ゼネコンでも竹中工務店は比較的設計が一目置かれています。
若干お客さんと工事部隊の板挟み状態でつらい立場になることもありますが、一方で日本での巨大プロジェクト、目玉プロジェクトの設計を経験出来て大きなメリットもあります。
まとめると、ゼネコン設計部は無難な設計が求められて、社内でも立場は弱い者の他社では経験できないような巨大プロジェクトの設計経験が得られます。
こちらの記事では構造設計についても説明しているので今日にがある方は一読ください!
まとめ
大雑把にゼネコンがどういった規模でどういった仕事をしているかを説明しました。
また、私が設計部所属のため設計部からゼネコンがどう見えているかかなり簡単に話してみました。
関連記事をどんどん追加していこうと思いますので乞うご期待!
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