「夜と霧」という本を読んだので書評を書いてみたいと思います!
これから読んでみようかと気になっている方、また読んでみたけど他の人がどう思っているか気になっている方の参考になればと思います。
あらすじ
この本は第二次世界大戦中にドイツの収容所に入れられ、過酷な状況を体験しながらも生き抜いた著者が書いたものです。
本のコンセプトとして収容生活の悲惨さを語るといったものではなく、精神科医でもある著者が可能な限り客観的に収容生活中の人間の心理について精神科医の視点から分析しています。
これは非常に面白いというか貴重な視点で、かつ過酷な収容生活を客観的に書くというのは非常に挑戦的だと思います。
実際本書は収容前から収容中、解放されたときの三段階に分けてその時々の自分も含めた人間の行動を分析しています。
さらにこの本は解放されてすぐにかかれているもので、それにも頭が下がる思いです。
恥ずかしながら読み終わるまでそんなに歴史がある本だとは思っていませんでした。
「新版」となっていますが、邦訳し直しているためです。
以前の邦訳は戦争を体験した日本人、今回の翻訳者は戦後に生まれた日本人というのもおもしろいと思います。
新訳された方も話を受けるかどうか悩んだ旨があとがきにもかかれていました。
本の具体的なエピソードをここで紹介するつもりはなく、自分が心動かされた考えについて書きたいと思っています。
なぜ生きられるのか
この本を読んで感じたのは、人間が自らの内面に向き合い鍛えていくと決断し、実行していくことの難しさとそれを支えるのは未来への何らかの期待だと言うことです。
収容所のような過酷な環境で周りに同化して楽をする大衆になるのが大多数であるとあります。
一方で過酷な環境でも自分の内面と向き合い高めていけるような人も中にはいることも言及されています。
そしてどちらを選ぶのかは自分だと言うことです。
つまり、どんな外部環境に曝されていてもその中で自分がどのように振る舞い、生きていくのかは自分が決めているということです。
また、そういった難しい環境にあっても少なくとも命を諦めることなく生き続けていられるのは未来への期待だと語られています。
例えば、解放された後の自由な生活であったり、家族との温かな生活であったり、もう一度味わいたい生活への期待です。
この二つが支え合うことで生きていこうと思えるのではないかと私は感じました。
もちろん現代はこのような過酷な状況ではありません。
日本に生まれて「死なない=生きる」と捉えれば生きることはさほど難しいことではないでしょう。
前向きに充実した人生を生きるには自分の人生の目標を決めてそれに向かって邁進していく覚悟を持って生きることだと思うのです。
まとめ
「夜と霧」の本当に簡単なあらすじというか背景の説明と本を読んで私が感じたことを書いてみました。
この本に興味をもたれている方の参考になれば嬉しいです!
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